雪の夜に遠い時代を思いながら。

世の中の流れに乗り青森の素敵なホテルに滞在してきまして、

せっかく八甲田に行くならと選んだのが

新田次郎『八甲田山死の彷徨(新潮文庫)』。

いやさすが新田次郎先生です。

八甲田山雪中行軍遭難資料館の陳列より、

右下のコンパクトな38名の弘前第31連隊は

土地の案内人をつけ、長いコースの最後に雪の八甲田山を踏破。

残る210名の青森第5連隊は案内人なしで明治35年1月23日出発…

記録文学というのでしょうか。

決してお涙頂戴ではなく、クールさとわずかな温かみで淡々と

地形や気象状況を織り込みながら書かれています。

山本健吉(1907-1988)の解説も贅沢。

その解説によると、新田次郎が全ての取材を終え

八甲田近くの温泉宿に泊まり寝ていると

全身氷で覆われた兵士たちが次々現れたとか。

これ絶対ホントですよね。

本では神田大尉、本名は神成文吉大尉。ノンキャリ。

男前です。

ご自分が責任者のはずが黙っていられない山口少佐と微妙なことに…

立ったまま仮死状態で発見されたという後藤房之助伍長。

資料館正面入り口。

敷地内には亡くなった119名と生き残った11名の墓碑もあり

厳粛な気持ちになります。

資料館の方も親切でお詳しく、お世話になりありがとうございました。

もう一冊は宮本輝『灯台からの響き(集英社)』

悪いひとはおらず温かくて心地いいのですが…

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